災難だらけの「ワルキューレ」 [音楽あれこれ]
6/15(木)、かねてより楽しみにしていたメトロポリタン歌劇場公演「ワルキューレ」を聴きに行った。
今回楽しみにしていたのは、なんといっても今回が日本での最後のオペラ出演になるかもしれない、プラシド・ドミンゴ。
他にも「この役を歌わせたら今はこの人が一番だろう」と思われるキャストと、最近殆ど見られなくなったト書き通りの演出、など見所/聴きどころは満載の公演ではある。
★ここでまた「身もフタもないあらすじ解説」 今回は作品が長いので、あらすじも長い!!★
嵐の夜、敵に追われて傷ついた戦士ジークムントはある家に逃げ込む。
そこで1人の女性ジークリンデに介抱してもらうのだが、2人が顔を見合わせると・・・そっくりではないか。
この2人、実は神々の長ヴォータンの子供で双子の兄妹なのだが、ひと目で恋に落ちる。
だが、逃げ込んだその家の所有者=ジークリンデの夫フンディングとはまさにジークムントの敵。
慣習どおり1晩は客として遇されるも、翌朝は再び敵同士として決闘に臨まなければならない。
戦いで武器も壊れて途方に暮れるジークムントにジークリンデが指し示したのは、家の柱の木に刺さる1本の剣。
これは来るべき英雄のためにヴォータンがはるか昔に刺していったもの。そしてそれまで誰が試みても柱から抜けなかったのだ。
この剣を軽々と抜いたジークムントとジークリンデはフンディングの家から逃げ出す。
神々の長ヴォータンは2人を祝福し、愛娘でワルキューレ(死んだ英雄を楽園に連れて行く武装の女神達)の一人ブリュンヒルデに命じてジークムントを手助けしようとするが、結婚の女神でヴォータンの妻フリッカの説得で、ジークムントは死する運命となる。
ジークムントに死すべき運命を伝えたブリュンヒルデだが、彼らの愛に感動し、運命を変えてフンディングとの決闘はジークムントが勝利するよう加担する。しかし、父のヴォータンはそのことを怒り、ジークムントには死を、ブリュンヒルデは罰として業火の中で恐れを知らぬ英雄が目覚めさせてくれるまで眠りにつかされる。
(その英雄というのがジークムントとジークリンデの間に生まれたジークフリートなのだが、その話は別のオペラで語られることとなる。)
ドミンゴ氏だが、御年60をとっくに超えてのこの役はかなりツラかったのではないだろうか。
確かに死ぬところで出番はなくなるが、パワー全開で難解な旋律を歌うのはもう不可能かもしれない。
御大に遠慮していたのであろうか、他のキャストは彼の出番が終った後の方がきちんと歌えていたような気もしないでもない。
印象深いのは「初めて<ワルキューレの騎行>の場面で笑わなかったこと」。
「地獄の黙示録」などで有名なこの曲、あらすじ的にはカットできてしまうような本筋とは関係なくワルキューレ達が岩場で雄たけびをあげながら集合しているだけのシーンの為なのだが、筆者がかつて見たこのシーン、2回とも客席から失笑が出た。
1)ワルキューレ達が肩を組んで片足をあげ、まるで「ラインダンス状態」
2)場面は野戦病院でワルキューレの扮装は看護婦さん、死せる英雄達をストレッチャー(キャスター付運搬ベッド)に乗せて暴れまわりつつ歌う
これじゃ笑うよなぁ、と思うのだが。
ところで、音楽とは別に非常に気になったのが客のマナーの悪さ。
カーテンコールになるとあちこちでデジカメのフラッシュが焚かれていた。もちろん肖像権侵害である。
また、がさごそがさごそと物音を立てる客が多く、非常に不愉快だった。
不愉快ついでだが、同行した母の隣に座っていたご老人、毛染めの時に使う様なビニール手袋をつけ、「とらや」の紙袋を抱えて、始終その袋をがさごそがさごそといじっていた。母が注意しても馬耳東風。
そして筆者の隣。開演ぎりぎりに来た途端「ああ間に合った。もう間に合わないかと思った。云々」と独り言のオンパレード、開演後は口は閉じたが手が動いている。指揮をしているつもりなのかもしれないが、ウザい。休憩時はまた独り言。
あまりにアブない両隣の所為で筆者達は主催者に申し出て席を替えてもらった。
帰りに雨は降っているし、NHKホールから駅までの道のりは遠いし、オペラを楽しむ以前の問題が山積の公演であった。
チケット代返せー!! せめて替わった席の差額だけでも!!!
お客様のマナーは残念でしたが、ドミンゴさんの公演が観られたことに
特大Nice!です♪ もしかしたら、「伝説の舞台」になるかも知れませんね^^。
by おさかな♪ (2006-07-03 16:58)
これって今度福岡でやるやつなのかな？
行かないけど、ｍａｙｙｔさんの解説だけの方が好きだから！
ＣＭ見たら、ｍａｙｙｔさんの解説を思い出しそうだ(^・^)
席替わったら、差額取られるの？
覚えておきます！行かないけど・・・。へへへ
by マコちん (2006-07-04 17:46)